【SAP CO】活動タイプについて解説

登場人物紹介

三崎レイナ
社会人1年目。新卒でITコンサルティングファームに就職。初配属がSAPプロジェクトにアサインされる。SAPがわからないことだらけで悩んでいたところ、会社の先輩にSAPラボの所長を紹介され、毎週末に所長とSAPのお勉強中!

博士
SAPラボの所長。SAP大好き博士!SAP導入プロジェクトを構想策定~運用保守まであらゆるフェーズを数多く経験。
いまは優しきおじいちゃんだが、プロマネバリバリの時代はかなり怖かったらしい。現在は引退し、SAPの後進育成と啓蒙活動に従事中!

この記事を読むメリット

  • 活動タイプの基本を理解できるようになります。
レイナ

活動タイプってなんですか?

博士

活動タイプは、製造原価計算時の加工費計算に使用するマスタじゃ!この記事で詳細をみていくぞい!

この記事のポイント

SAPにおける活動タイプ


活動タイプは、SAP COモジュール内の重要なマスタの1つです。

製造原価の内訳を大きく分けると、材料費と加工費に大別されますが、活動タイプは加工費の算出に用いられるCOモジュールのマスタになります。

製造原価の内訳

計算例をつかって、加工費の計算を考えてみます。

例えば、加工費として、活動タイプ:直接労務費活動タイプ:間接労務費の計上をする場合、各活動タイプで設定された活動単価と製造指図で計上された活動数量を掛け合わせることで加工費計算がされる仕組みです。

活動費用の計算ロジック

SAPの活動タイプの前提知識として、下記2点は特に重要になります。

  • 活動タイプはその活動が関連する原価要素とも紐づいている
原価要素と活動タイプの紐づき
  • 活動タイプは各原価センタと紐づけて活動単価が設定される
原価センタと活動タイプの紐づき

上記の前提を知ったうえで、まずは活動タイプを用いた加工費の計算をみてみます。

●製造指図における活動費用の計算例

原価センタ1000 活動タイプ:直接労務費
活動単価 2,000円×活動数量10時間 =直接労務費20,000円

原価センタ1000 活動タイプ:間接労務費
活動単価 1,500円×活動数量10時間 =間接労務費15,000円

活動タイプ計算はSAPを導入している製造業の会社であれば、製造指図計算で用いられることが多いです。各製造指図には作業実績(=活動数量)が登録され、各製造指図の作業実績(=活動数量)と事前に登録した活動単価を掛け合わせることで加工費としての活動費用を算出します。

活動タイプマスタ 登録/変更/参照(KL01/KL02/KL03)

活動タイプマスタに関するトランザクションコードは下記のとおりです。

T-CODE登録変更照会
活動マスタKL01KL02KL03
活動タイプ関連のトランザクションコード

今回は実際のSAP画面を使用し、トランザクションコード:KL01にて活動タイプのマスタ登録を行ってみます。

まず、①管理領域、②新規に作成する活動タイプ、③有効開始日を入力して、ENTERを押下します。

活動タイプ登録

画面遷移したのち、活動タイプマスタの詳細情報を入力していきます。

簡単に活動タイプの代表的なデータ項目を紹介します。

活動単位

活動単位

配分原価要素

配分原価要素

最後に保存ボタンを押下して、新規登録が完了になります。

配分原価要素はコストオブジェクト(Ex.原価センタや指図)間の活動費用の移動に用いられる原価要素です。製造指図原価計算を前提とすると下記のようなコストフローイメージです。

配分原価要素とは?

活動単価の変更(KP26)

次にトランザクションコード:KP26で活動タイプに対し、活動単価を登録していきます。活動単価はSAPの標準機能で自動計算することも可能ですが、今回は自動計算ではなく、KP26から手動登録する方法をみていきます。

イメージとしては下記の赤枠部分を登録します。

活動単価の登録
博士

ここからはSAPの画面も確認しながら、見ていくぞい!

レイナ

はい!

活動単価の登録

T-CODE:KP26(活動タイプの計画データ変更)で下記のパラメータを設定して、SAP外で計算した活動単価を入力します。下記の入力が完了したら、概要画面(F5のショートカットでもOK)ボタンを押下します。

  1. バージョン
  2. 開始期間/終了期間
  3. 会計年度
  4. 原価センタ
  5. 活動タイプ

上記の情報を入力しないと活動単価は登録できないため、事前に原価センタや活動タイプに加えてバージョンや会計年度や会計期間の情報も整理しておく必要があります。活動単価は価格単位ごとの入力になるため、価格単位が1単位なのか10単位なのか100単位なのかを意識して登録することが重要です。

(下記の例はバージョン=0、価格単位=1単位あたり活動単価2000円で設定)

活動単価の登録

新規で活動タイプを追加した場合には、既存の活動タイプの入力と設定内容をそろえるケースも多いため、活動タイプテーブルで既存の活動タイプの設定を参照することも多いです。

活動タイプ関連のテーブルについては下記の記事で紹介しています。

活動単価の照会(KSBT)

最後に活動単価照会のトランザクションコード:KSBTをご紹介します。


活動単価の照会(KSBT)では原価センタ&活動タイプ別の活動単価を一覧形式にて確認することが可能になっています。一括で活動単価の設定値を確認したい場合に重宝するトランザクションコードです。簡単な使い方を下記で見ていきます。

まずKSBTのトランザクションコードをたたいて、「補足->管理領域設定」から参照したい管理領域を指定します。

活動単価の照会(KSBT)

管理領域の指定が完了したら、次に参照したい原価センタや活動タイプの情報を入力します。ある程度幅広く活動タイプのデータを参照したい場合には原価センタや活動タイプを入力せずに検索することもできます。

活動単価の照会(KSBT)

指定した条件で実行した結果、原価センタ&活動タイプ別の活動単価を参照することが可能です。

活動単価の照会(KSBT)

活動単価の一覧参照にはKSBTは重宝しますので、ぜひ一度トランザクションコードをたたいてみましょう!

博士

本日の授業はここまでじゃ!

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この記事を書いた人

SAPコンサルタント(経験:FI/CO/ABAP)
米国公認会計士(ワシントン州)

新卒でSIerに入社して、初配属がSAPプロジェクト。その後ITコンサルファーム、不動産スタートアップを経て、システムコンサル会社を起業。

新卒時代にSAPを勉強したくても、SAP情報サイトが少なくキャッチアップに苦労した経験から、SAPをなるだけ簡単にわかりやすくをモットーにSAPラボを運営しつつ、SAP業界の裾野を広げるべく活動中!

一緒に「SAPラボ」を盛り上げてくれる副業ライター(SAP経験者)を募集してますので、お問い合わせよりお願いします!

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